・・・ジャズは死んだ
ジャズが好きな作家や学者、評論家たちが、いつのころからかジャズに愛想を尽かし、そんなことを言っていた。
ジャズで飯を食ってるはずのジャズ評論家の中にも、そんなことを言っているのがいた。
四方田犬彦さんなんかは、「ジャズは自ら死を選ぶ能力すら喪失してしまった」なんてことまで書いていた。
ジャズは死にそこなってしまったのか。
そこまで言いますかねえ、と、ぼくはいつもすこしばかり腹を立てていた。
さんざ世話になった女(男)によくもまあそんな口が利けたもんだ。
ちょっとばかり年をとり、女(男)の魅力に翳りが生じたからといって、そいつはあんまりってもんじゃないのか。
勤めていた出版社を定年でやめ、晴れて無職という身分を手に入れることができ、むかし好きだった女、じゃない、ジャズとの蜜月の時間を楽しむことができるようになった。
ジャズは死んじゃいないぞ、その証を見つけ出してやるぞ、なんて年甲斐もなく意気込んでライブを聴き歩くようになって、もう4年になる。
若いミュージシャン限定。
可能な限りライブで。
見たことも聴いたこともない天才、異才、奇才にきっと遭遇できる。
そんなことを願いながらのライブ徘徊記である。
これは、若いミュージシャンへのオマージュでありエールです。