兵庫県神戸市出身。
子どものころから歌が好きでよく歌っていた。
松陰女子高校時代、ソウルシンガーの歌に感動し、プロ歌手を志す。
大阪音楽大学で音楽理論の基礎を学び、同大学院のオペラ研究室を終了。
卒業後、「マダム・バタフライ」のケイト役でデビューするも、クラシック音楽での自己表現に情熱を感じなくなり、音楽活動を中止。
2000年、ジャズ・スタンダードの美しさと即興演奏の面白さに引かれ、ジャズシンガーに転向する。
現在、東京・横浜・札幌・松江など各地で定期的に演奏活動を行っている。
ジャズヴォーカルのほか、日本語の歌やオリジナル楽曲などジャンルにとらわれない幅広いレパートリーを持つ。
2004年、第5回神戸ジャズ・ヴォーカル・クイーン・コンテスト優勝。
同年、アメリカ・シアトルのライブハウスJAZZALLEYで単独公演。
2005年、兵庫県から、今後が期待される女性におくられる、はなだ賞受賞。
2007年、ビデオアーツミュージックよりファーストアルバムをリリース。
(プロフィールより抜粋)
このジャズブログ、二人目のシンガーです。
一人目は、東中野・セロニアスのママで歌手でもある大原都志子さん。
その大原さんに、「素晴らしい歌手がいますよ」と、北浪さんを紹介された。
3月の初め、大塚・GRECOで初めて聴かせてもらった。
ライブを1回聴いただけでこれを書いている。
ずいぶん乱暴な、という気がしなくもないが、1回聴いて良いものは良い、何回聴いてもだめはだめ、というのがぼくの聴き方で、乱暴と言われればそうかもしれないが、音楽的素養がなく、音を聞き取る耳もあまりよくない人間が、知らぬ間に身につけていた音楽に対する接し方なので、しかたがない。
最初の出会いが大切なんだよ。
と、なにやら開き直ったもの言いだが、そう間違ってはいないはずだと、どこかで信じてもいる。
超満員のGRECOでの北浪さんの第一印象は強烈なものだった。
とても力強い。
も少し行くと<過剰>になりそうなところで、止まっている。
それがもたらす緊張感と、そこから開放された時に訪れる安心感が、不思議な音楽空間を作り上げている。
この日歌った曲は、ジャズのスタンダードは少なくポップス風なものが多かった。
ジャズシンガーのライブではめずらしい(と思う)日本の古い歌も1曲披露してくれた。
---ジャズヴォーカルとしての表現を追及する一方、日本語の歌やオリジナル楽曲などジャンルにとらわれない幅広いレパートリーをカバーし、クラシックで培った伸びやかでソウルフルな歌声や歌唱力で表現するスタイル
と、自身のブログで書いている。
きれいな声で上手に歌っているだけ、というのとはまったく違う。
なんと言うか、歌うことによって<世界>を作り上げている。
1曲ごとにひとつの世界をつくり出し、何曲か歌い上げることによって大きな<北浪ワールド>を創出させる。
恋人たちの一途な情熱や生きる喜びを
愛し合っていた二人の苦い別離の悲しさを
絶望に打ちひしがれた果てしない孤独を
光り輝く都会の華やかさの中で
夕陽が沈む海辺の静寂にたたずみ
北浪良佳は歌い続ける。
スケールの大きさと力強さで、聴くものをわが手のうちにしっかり取り込んでしまう。
ジャズ100年の歴史が語り続けてきた、生きることの、喜び、つらさ、悲しさ、怒り、が、見事に北浪さんの歌に結実している。
初めて聴いただけでそんなことを感じさせてくれる。
それだけでもすごい!と思いませんか。
---音楽には、絶対的に人の心に訴えかける力がある
仏文学者の鹿島茂さんが、映画「レ・ミゼラブル」を観た感想の中で書いていた。
北浪さんを聴きながらこの言葉を思い出していた。
こんな素晴らしい歌い手を紹介してくれた大原さんに、なにはともあれ感謝。
★北浪良佳オフィシャルサイト
「smile」視聴できます
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
「小さな窓」視聴できます
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
≪LIVE INFO≫
・3/29(金)阿佐ヶ谷 クラヴィーア
・4/2(火)銀座 スウィング
・4/4(木)大塚 GRECO
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