
1984年、東京生まれ。
中学2年の時、アコースティックギターを始め、その後ロックに傾斜。
バンド活動のかたわらヤマハ音楽教室で基礎の音楽理論やアドリブを学ぶ。
高校3年生の時、Berklee College of Music(バークリー音楽院)の奨学金を得、卒業後渡米。
在学中は、ジャズの即興演奏を中心に、Hal Crook、Dave Santro、Sheryl Bailey、Bruce Saundersの各氏に学ぶ。
卒業後2年間、ニューヨークでセッション活動を行い、さまざまなミュージシャンと共演。
2009年、帰国。
現在、都内を中心に自己のバンドでジャズ系のライブ活動を行っている。
将棋の対局観戦が大好きで、ときにギターの練習を忘れる。
2年ほど前、守谷美由貴さんのバンドで何回か聴いた。
あれは、バークリーから帰ってきたばかりのころだったのか。
控え目で、少し恥ずかしそうに弾いている、という印象をいつも受けていた。
そんな様子が妙に気になり、<かむろ耕平>を強く意識させられた。
今年の10月、市川のライブハウスで1年ぶりに彼の演奏を聴いた。
守谷さんのライブに、飛び入りで演奏していた。
印象は変わっていなかった。
上体をやや折り曲げて弾く演奏スタイルも、ソロの時でもどこか控えめな様子も、以前と変わっていなかった。
いつも控え目。
それがこの人の特徴であり、この人の魅力にもなっている。
万事控え目、ゆえにかえって目立っている。
不思議なキャラクターのミュージシャンである。
そんな<かむろ耕平>が、ぼくはどうやら好きらしい。
かむろ耕平の弾くギターが好きなのか、
ギターを弾くかむろ耕平が好きなのか。
よくわからんが、おそらく両方なんだろう。
一風変わった魅力を持ったギタリストである。

1年前、彼の音楽観や目指す方向などについていくつかの質問を送った。
答えはもらえなかった。
・・・まだミュージシャンというものに半ば憧れてるだけ、のような感じなので、少し語るのも恐ろしかったんですが、それも小さな自惚れだったかなとも思います。
と、最近のメールで答えてくれた。
早熟なミュージシャンの若々しい自負と、待ちかまえる未知なるものへの怖れがないまぜになった、<かむろ耕平>らしい心情の吐露と、読みました。
外向きのベクトルをもった高圧マグマを、内に大量に抱え込んでいる。
それが噴出する日が、いつか必ずやってくる。
芯の強さを秘めたミュージシャン。
そんな気がしてならない。
釣と猫が大好きだ。
捨てられていたノラを拾って育てている。
少し前の写真入りブログに書かれている。
・・・こいつは先々月あたりに生まれ、捨てられるも拾われ、家に引き取られたラッキーボーイ。毎日食って遊んで糞して寝るを繰り返している。
存分にやってくれ!
釣に行きボウズ(釣果ゼロ)だった時に出会った別のノラには、
・・・すまん。何もないんだ。小イワシ一匹も。ボウズなんだ。サヨナラ。
岸壁らしきところにうずくまるノラが、なんとも憐れで去りがたい。
添えられた写真が、撮影者のそんな思いを伝えている。
「この先、ただの猫ブログになっていきそうな」と嘆いている(喜んでいる)カムブログ。
この人の文章は、音楽家らしいリズム感と思いもよらぬ言葉の用い方が独特で面白い。
この人のギターを特徴づけている聴くものの心をくすぐり、かき回し、気をひき、こちらがその気になるとふっと離れていく。
聴いている人間を翻弄する不思議な<言葉使い>と、どこか共通するものがありそうだ。
先日、<リメンバーズ>というグループで弾いていた彼の演奏を聴きながら、そう感じていた。
かむブログ。
更新頻度が高いとはいえないけれど、一読をおすすめします。
そして、ぜひライブを聴いてみてください。
彼の魅力がよくわかるはずです。
心やさしきはにかみ王子。
かむろ耕平さんでした。
☆かむろ耕平ブログ<かむブログ>