強い緊張感を周囲に放射している。
ただ気が強い、ということではない。
放射される緊張感は、周囲を凍りつかせる類のものではない。
そのなかにすっと入っていける微妙な軟度を併せ持っている。
硬軟入りまじった不思議な雰囲気を漂わせている人。
精神の強い緊張感に身体が耐え切れなくなるのだろう。か。
演奏中、時に腕を交叉させ、回し、屈伸させる。
精神と身体のバランスをとる自分だけの儀式。
おっ、やってる。
今日は調子がよさそうだな。
ひそやかな儀式をのぞかせてもらったような気がして、なんだかうれしくなる。
トランペット奏者、高澤綾さんです。
10月29日生まれのA型。
5歳でピアノ、10歳からトランペットを始める。
国立音楽大学に入学。熊谷仁士氏に師事。
在学中、各種演奏会に出演、優秀な成績で卒業する。
クラシックのほか、在学中より「ニュータイド・オーケストラ」に所属、「山野ビッグバンド・ジャズ・コンテスト」で入賞。
卒業後、本格的に演奏活動を開始。さまざまなサポート活動やレコーディングに参加。
女性ブラスユニット「東京ブラススタイル」で、ジャズCDとして異例のセールスを記録。
テレビ朝日「ミュージック・ステーション」、フジテレビ721「ライブ・レターズ、Music Air「MUSIC ENGINE」へ出演。
2009年、NY国連本部で行われた「世界人口基金表彰式典」で演奏、各国大使より賞賛を浴びる。
現在は、自己のリーダーバンドなどジャズのコンボ編成での演奏活動がメイン。
2010年、「JAZZ JAPAN」誌に、2011年、「ジャズ批評」誌に注目すべきミュージシャンとして紹介される。
ライターとして、ジャズ専門誌や管楽器専門誌へ寄稿。
指導、個人レッスンにも力を入れている。
プロフィールを見て分かるように、とにかく前向きである。
演奏だけにとどまらず、活動の場を積極的に広げ、走り続ける。
しかも、すべてにおいて全力疾走。
けっしておあそびではない。
とにかく、走る。走る。
そんなに走って大丈夫かなとも思うが、心配無用。
体幹が、心身ともにしっかりしていらっしゃる。
けっして前のめりにならない。
揺るぎもしない。
地に足をしっかりとつけて、ぶれない。
活躍の場すべてを紹介することはとてもできないが、一例をあげれば。
管楽器専門誌「SAX & BRASS magazine」に書いているフレディ・ハバードの評伝。
往年の名プレイヤーの音楽的変遷をまとめたものだ。
いそがしいなかで、よくこれだけのことを調べまとめ上げたもんだと感心する。
立派な仕事です。
同じく、管楽器専門誌「Poco a poco」にもエッセイを連載中。
ライターとしても飯が食える。
本物です。
3月14日、ファーストアルバム「PATTERNS」が全国発売される。
「トランペットは一音で音楽空間を支配できる」
とおっしゃるとおり、高澤さんの吹く音の強さには定評がある。
女性でこれだけ強く吹ける人はそうはいない。
ジャズをよく知っている人だけではなく、初めて聴く人に対しても、「その人たちの直感や感覚に訴えかける力を持った音楽」を心がけたいと、リスナーに対する配慮も忘れない。
自己満足に陥ることなく、リスナーを意識し、説得力を持って彼ら彼女らに訴えかける演奏をと、希求している。
硬度は、きわめればダイヤモンドになる。
届きそうでなかなか届かない・・・
そんなことないって。
「背伸びしてれば、いつか背は伸びる」
また言ってしまった。寺山修司のことばです。たしか。
3月14日発売 ファーストアルバム「PATTERNS」

★高澤綾Official Web Site

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≪ライブスケジュール≫
・2月24日(金)大久保 STONE
・3月3日(土)新宿 JazzSpot J
・3月15日(木)赤坂 Bb
・4月8日(日)関内 KAMOME
・4月25日(水)立川 Jesse James
少し先になるが、名古屋(6月22日)、大阪(23日)ツアーも決定している。