<井上銘カルテット>
井上銘g/泉川貴広p、kb/若井俊也b/柵木雄斗ds
井上銘デヴュー・アルバム「ファースト・トレイン」(EMIミュージック・ジャパン)発売記念ライブ。
大勢の立ち見客もでる盛況ぶりだった。
客の7割くらいは20〜30代の若い人。
ジャズのライブではめずらしい客層だ。
もっとも、いちばんCDを買わない世代でもあるが。
5月で20歳になった。
実力に加え人気もある。
「花がある」とは、一緒に聴いた女性の評。
・・・天才ジャズギタリスト井上銘
・・・疾走する20歳のジャズ
・・・ジャズの明日を予言する鮮烈のギタリズム
いささか気恥ずかしくなるような強烈な惹句を、すこしも大げさと思わせない。
さすが、逸材である。
メンバーはすべて20代。
才能あるミュージシャンとして、確かな評価を得ている若手ぞろいだ。
CD収録時は、この4人に太田朱美(fl)、早川惟雅(as)、松井宏樹(ss)がゲスト参加している。
この日演奏されたものは、ほとんどがCD収録曲。
内容はバラエティに富んでいる。
作曲においても非凡な才能を感じさせるオリジナル曲。
多くの影響を受けた、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンらの名曲のジャズ・バージョン。
さらには、ジャズのスタンダードやソロ演奏も聴かせてくれる。
バラードも、アップテンポの早弾きも、ロックも、ソロも、なにを弾いてもみごとなテクニックで観客を圧倒しまくる。
20歳の若者とは思えない豊かな情感がこめられたメロディも美しい。
若さに似ず完璧すぎる。
完璧さがいけないというわけではないので、誤解しないでもらいたいのだが。
聡明な若者なのだろう。
MCだって、ここ数年聞いたミュージシャンのなかでは一番だった。
落ち着いていて、伝えるべきことはきちんと伝え、てれず・つくらずの自然体が爽やかである。笑いのとり方もうまいもんだ。
自分は笑わずに客を笑わす(自分で笑っちゃうMCが多い。聞いてるほうはちっともおもしろくない)。
とにかく、すべてがきちんと整っている。
思うに、そこにわずかな<狂気と逸脱>が生じると、とてつもなくすごいことになりそうな気がする。
そう予感させるものがある。
<われを忘れた井上銘>を見てみたいと思いませんか。
ご本人にとっては、余計なお世話以外のなにものでもないだろう。
だいじょうぶ。
ほんとの才能は、同じところにとどまることをおのれに許さない。
つねに変化していくこと。
これが才能に与えられた宿命なのだから。
避けて通ることのできない道なんだよな。
スーパー・ギタリスト井上銘は、こんな願いや期待を裏切らない。
と、確信している。
前途には、広々と開けた沃野が待っているが、そこにはまだ道がない。
空に一点、めざわりな、黒い雲が居座っている。
すっきりと晴れ上がらない日本のジャズシーンに、力ずくで風穴をあけてもらいたい。
がんばれ、井上銘!!!!!
ファースト・トレイン / 井上銘 (演奏) (CD - 2011)

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