2011年10月28日

ピアニストはいつも横顔─ピアニスト 野本晴美さん

ピアニストはいつも横顔です。

小さなライブハウスでも、大きなコンサートホールでも、ピアノはいつも横を向いている。
舞台奥側にすこしだけふられ、斜め横向きにセッティングされている。
クラシックでもジャズでも、それだけは変わらない。
ピアニストは、客席に対しいつも横向きで演奏することになる。
観客は、ピアニストの横顔を見ながら演奏を聴くことになる。

ピアノは、700年前のある日、突然、発明された(「音楽史を変えた五つの発明」)。
それ以来、この楽器はずーっと横向きだった。
どうして横向きなんだろう。正面を向いてちゃ、なにか不都合でもあるのだろうか。
たまにはこっちを向いてよ、と、声をかけたくもなる。
おそらくは、観客にピアニストの指使いを見せるためなんだろう。
ほかになにか理由があるのだろうか。こんどだれかに訊いてみよう。

ピアニストの野本晴美さんです。

野本さん 014.jpg

埼玉県加須市出身。
実家がヤマハ音楽教室を営んでいたため、4歳からピアノを始める。
東京芸術大学作曲科に進み、在学中からJAZZを聴くようになり、ジャムセッションなどで演奏を始める。以来、さまざまなミュージシャンとのセッションを重ねている。
2002年11月、1stアルバム「Another ordinary day」(Venus records)を、
2007年10月、2ndアルバム「Belinda」(anturtle tune)をリリース。
現在、都内ライブハウスを中心に、自己のピアノトリオのほか、多くのグループ、セッションなどで活躍中。(プロフィールより)


ひとつ抜けていた。
洗足学園音楽大学で、ジャズピアノを教えていらっしゃる。

ぼくなどが紹介すること自体おこがましい限りではあるのだが、なりゆき上いたし方ない、と思って勘弁していただくしかない。

このコラムは、ミュージシャンの紹介が主で、音楽そのものをあれこれいうものではない。
あれこれいいたくとも、いえないのだが。
野本さんのライブだって、3〜4回しか聴いていない。
たったそれだけで書いてしまおうというのだから、考えようによっては、よらなくても、これほどずうずうしいことはない。

書く前にいくつかの質問を、おそるおそるさしあげた。
せめてなにかの参考に、という魂胆である。

1.ご自分の目指している音楽は?
2.ここを聴いてもらいたいというポイントはありますか?
3.ジャズにいま、新しい流れがありますか?


素人ゆえの怖いもの知らず、大学の先生に訊くのがはばかられるような質問ばかりでちょっと恥ずかしい。

野本さんのお答えは、

・・・むずかしい質問です。

と、ただそれだけ。
質問に対するお答えは、結局、なにもちょうだいすることができなかった。

「質問には、あらかじめ答えが内包されている」。
あまりアホな質問はするなということです。

当方の無知さ加減を見すかされたうえでの無回答だった。
いたく反省し、かつ納得もしたのだが、そこにもうひとつ、野本さんのお考えがあることにはたと気がついた。

音楽のむずかしさ、とくに、コミュニケーションとしての音楽のむずかしさを熟知なさっているがゆえの無回答ではなかったのか。
送り手と受け手が、音楽を共感することがいかに難しいかを、日ごろいやというほど体験なさっているのだろう。
もっともらしい答えを返そうと思えばいくらでもできた。
しかし、それでことの本質が明らかになるわけではない。
そのことをよくご存知のうえでの返事だったのだ。

さすが、「先生はえらい」。
皮肉でもなんでもありません。
内田樹さんの本のタイトルです。
「師たる者の条件」を心得ていらっしゃる。

「先生」にすこしこだわりすぎた。
ジャズに、<先生テイスト>みたいなものがあるわけがない。
野本さんの演奏を聴いた印象は、あふれ出んばかりの情動をコントロールしつつ、それをリスナーにきちんと伝えている、というものでした。
すべてがほどよく抑制され、それが強さと美しさとなって伝わってくる。
演奏する野本さんの横顔を拝見しながら、そんなふうに聴いていた。

なんか、いかにも<先生>っぽさを強調した堅苦しい文章になってしまったが、素顔の野本さんは、いたって気さくな方である。
こんな風な---。

・・・好きな食べ物は、納豆、たこやき、スイカ、枝豆、柿の種。
・・・スキーがお好きで、一人で行っちゃうこともある。
・・・お酒も好き。一時飲まなくなったが、最近またよく飲むようになった。
・・・海が好き、昼寝も好き、猫も好き。
・・・東京芸大は中退だった。(HPより)


ライブ終了後、ご挨拶した野本さん。
正面から拝見したお顔も、とても美しかった。

織原.jpg
野本晴美トリオ(左から今泉総之輔、野本晴美、織原良次)

あっそうそう、忘れるところだった。
浅草橋にちかい曳舟にコーヒーショップを開いていらっしゃる。
月に何回かライブも行っている。
スカイツリーのすぐ近く。
見学帰りにでも、いやそうじゃない、コーヒーを飲んだついでに世界一のタワーを見てくるのもよさそうではないか。
☆Coffee Blackbird


≪ライブスケジュール≫ ※リーダー・ライブ
・11月11日(金)FJC 2011 Autumn Jazz Concert (新庄市民プラザ大ホール)
野本晴美p/織原良次fretless b/今泉総之輔dr/featuring.竹内直ts.fl/
開場18:00/開演18:30 前売4000円/当日4500円 
問合わせ:0233-22-9505(FJC事務局)


・11月18(金)江古田 そるとびーなつ
野本晴美p/市野元彦g

・11月20日(日)王子 TAGEN
野本晴美p/織原良次fretless b/今泉総之輔dr

☆ブログ:はるみ日和
☆Twitter:@haruminomoto



posted by 松ぼっくり at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ミュージシャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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