2011年09月30日

TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011

tokyoJAZZ-1.jpg

9月2日〜4日
東京国際フォーラム ホールA

(2日)
菊地成孔DCPRG/ラウル・ミドン
(3日)
カウント・ベイシー・オーケストラ/寺井尚子&リシャール・ガリアーノ ザ・ピアソラ・プロジェクト(イタリア)/ミシェル・ルグラン・トリオ/quasimode/インコグニート/上原ひろみトリオ アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス
(4日)
ケニー・バロン トリオ 北川潔&ジョナサン・ブレイク/上原ひろみ×熊谷和徳 タップ/セルジオ・メンデス/日野皓正SPECIAL PROJEKT 佐藤允彦 dj honda 石井彰 日野JINO賢二 須川崇史 田中徳崇 矢野沙織 荻原亮/TOKYO JAZZ SUPER GUITAR SESSION リー・リトナー マイク・スターン 布袋寅泰 ジョン・ビーズリー メルヴィン・デイヴィス デイヴ・ウエツクル/DMS ジョージ・デューク マーカス・ミラー デヴィッド・サンボーン



チケットはすべてソルドアウト。
5012人入るホールが、三日間満員になった。
日本人ってこんなにジャズが好きだったのか。
おどろいた。
そして、うれしかった。

料理にたとえるのもなんだが、肉なら肉、魚なら魚をじっくり味わいたいという一品堪能主義のぼくのようなものには、つぎつぎと料理が出てくる懐石料理のようなジャズフェスには、なんとなく食指が動かなかった。
食わず嫌い、でした。
音のシャワーをたっぷりと浴び、「ジャズ力」を200%体感させられた三日間で、ジャズフェスをすっかり見直していた。
こんなにも楽しく聴けたのは、連日お付き合いいただいたジャズ・ピアニスト松本あかねさんの、ポイントポイントでのツイートのせいもある。
おかげで、10倍ジャズを楽しむことができた。

今年のJFは、なんといっても上原ひろみさんでしょう。

1HN_8655-2.jpg
(c)Hideo Nakajima

彼女の演奏は、数年前、武道館でチック・コリアとのデュオを一度聴いただけ。
よく知りもせず、またわかりもせず、「アクロバティックなピアニストなんじゃないか」と、ずっと思いこんでいた。
彼女の二日間の舞台で、そんな思い込みはどこかへ吹き飛んでしまった。

観たり聴いたりしたあとで、なにか一理屈言わなければならないようなものにたいしたものはない、と言われるが、まさにそのとおり。
あまりのすごさに、ただただ圧倒されるばかり。
台風一過、頭のなかの雑念はきれいサッパリ洗い流されて、まっさらな真空状態になっていた。
なるほど、すごいものには一理屈言いたくなるなんて余裕などないんだ。

タップの熊谷和徳さんとのデュオも素晴らしかった。

2HN_0136-2.jpg (c)Hideo Nakajima

異業種混合みたいなピアノとタップの「コール&レスポンス」が、ちゃんと成立している。
成立しているなんてもんじゃない。
ときにはやく、ときにゆっくりと、呼びかけ、受けこたえ、一の問いに十返し、十の呼びかけに二十の返事がくる。
見たこともない新しい表現空間に、5000人の観客が息もせず(しているが)舞台に釘付けになっている。

上原さん、年間100日150回の演奏を、世界中のどこかでやっていると、週刊文春の阿川対談で話していた。
熊谷さんも、舞台は世界に広がっている。
いいものはいい。だれが見てもいいものはいい。
当たり前のことを骨の髄まで知らされた。


もうひとつの驚きは、ケニー・バロン・トリオ。

2HN_9939-2.jpg (c)Hideo Nakajima

古いジャズフアンでも、いま、この人の名前をいう人はほとんどいない。
正直なところ、なんでいまさらという気がしなくもなかった。
聴き始めておどろいた。
すっと出てきて、いきなり弾き始める
前置きもなんにもない。いらないんだ。
そして、すぐに引き込まれてしまう。
ケニー・バロンは、そこにいるだけでジャズだった。
ジャズがそこにある。
ジャズを見た。
そんな気がした。

「いまぼくは、癒されている」
あるライブを聴きながらそんな感じになったことがあると、村上春樹さんがどこかに書いているが、それはこんな感じではなかったのだろうか。
ケニー・バロンのゆったりとしたピアノに、心が洗われる。


楽しみにしていたquasimodeも頑張っていた。

oka_1511-2.jpg
(c)Rieko Oka

観客をのせるべく、最初から飛ばすこと飛ばすこと。
いきなりの全力疾走だ。

しばらくして気がついた。
「あれっ、なんか音が小さいんじゃないか」
メンバーもすぐに気がついたようで、PAに合図し、音を上げていた。ように見えた。

5000人の大ホールと、数100人のジャズクラブでは、演奏する環境がちがうということか。
まあ、これも経験でしょう。
立ち直りも早い。
すぐに客を立たせての、いつもの演奏にもどっていた。


のせ方のうまさという点では、外国人ミュージシャンである。
インコグニート、セルジオ・メンデスの演奏に、観客は知らぬ間にのせられ、総立ちで手を振り、からだをゆさぶり、踊り始めている。

oka_2415-2.jpg (c)Rieko Oka

oka_2598-2.jpg
(c)Rieko Oka

日野さんが、懸命に呼びかけながらもいまいちのせきれない。
この差はなんだ。
これも、ジャズの歴史なのか。


主催者に注文をひとつ。
日本の若いジャズ・ミュージシャンが出演する機会を、作っていただきたい。
舞台でなくとも場所はある。
会場前広場という、うってつけの場所があるではないですか。

jazzfes 004.jpg

日に一組でも二組でもいい。
ジャズシーンを盛り上げるためにぜひ考えていただきたい、と願う次第です。


TV「東京JAZZ 2011」放送予定
【NHK BSプレミアム】
10月15日(土)
午後2時00分〜3時30分
午後3時30分〜5時00分
午後5時00分〜6時30分



posted by 松ぼっくり at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。