2011年09月15日

フレットレスベース──織原良次さん

織原プロフィール.jpg

織原良次さん。

いま、多方面で多彩な活動を続けているベーシスト。
というと怒られる。
フレットレス・ベーシストと言わなければいけない。

大学時代からフレットレスベースに専念。
自身の活動としては、2010年からの<織原良次の色彩感覚>と<透明な家具>がある。

2003年、山田里香(vo)、小池龍平(g、vo)と<Bophana>を結成。07年、メジャー・デヴュー。
橋爪亮督(ts)Group、鈴木勲<OMAsound>、太田朱美(fl)<Riskfactor>、<橋本学トリオ>、青羊(vo、g)<けもの>らに参加。
ほかに、<野本晴美トリオ>、遠藤良人<funk jones>、<川嶋哲郎トリオ>、小松伸之<gravity>、大槻カルタ英宣<vertical-engine>、松尾由堂<BONANZA>、などなど書ききれないほどのグループで活躍中。(プロフィールより)


まずは<織原良次の色彩感覚>。
「タイトルを含め意味のある音楽、思想ある音楽を目指して」作られた、自身のオリジナル曲を演奏するリーダーバンド。

フィンランドの核廃棄物貯蔵庫、「オンカロ」と名付けられた曲を聴いた。
声高ではないが、静かな美しい旋律に、織原さんの音楽に対する基本的な姿勢がうかがえる。
音楽で思想は表現できないが、そこに果敢に挑戦する強い思いが感じ取れる。

音像のインテリアと名付けられた<透明な家具>は、不思議な音表現である。
「BGMではない。ライブではない。盛り上がらない。」がコンセプト。

BGMではなくBGAとはなにか。
Back Ground Ambientの略。
意味は、辞書を引いてください。

曲ではなく、リズムもない。ただ音がある。
あるかないかわからないかすかな音が、空間を満たしている。
誰にも意識されないが、ないとその場の調和が乱される。
透明な家具は、静かで美しい。

「時空に新たな次元を加える試み」と意欲的である。
こればかりは、聴いてみないことにはわからない。
ぜひぜひ・・・

太田朱美さんの<Riskfactor>や、松尾由堂さんの<BONANZA>では、一転、早く、激しく、声高な、演奏も披露する。

織原.jpg
野本晴美トリオ(左から今泉総之輔、野本晴美、織原良次)


「ジャズは楽しい!」を実感しつつ演奏活動を行っている織原さんは、その楽しさを外部に発信すべく、日々努力している。
そんな思いが、雑誌<SWITCH>8月号の座談会でひとつ形になった。
彼の呼びかけで、若井優也(p)、井上銘(g)、早川惟雅(as)、須川崇史(b)、石若駿(ds)という、いまもっとも嘱望されている10代、20代の若い才能があつまり、ジャズの現状と将来についてそれぞれの思いを語り合っている。

「かつて文化の中心にあったジャズは、今では楽器をやる人や数少ないマニアックなリスナーしか聴いてくれない。発信力が欠けていることで、若手のフラストレーションが溜まっている。そこを打破するために、音楽的妥協なしに多文化との交流を深めていきたい」

・・・いかに完璧なものを作っても、日本人に支持されなければ何にもならない

空海が、中国から密教を持ち込み、布教に腐心していた時の言葉だそうだ。
人に聴かれない音楽では何にもならない。
若いミュージシャンたちは、みんなそのことを自覚している。

雑誌の詳しい内容は、近々ご紹介したいと思っているが、織原さん、「ジャズの布教」にも意欲的かつ前向きである。真剣でもある。

フレットレスベースを駆使した本業のほか雑誌の企画などと、織原さんの活動は広範囲だ。
それぞれの活動がそれぞれなりにユニークで、その時々の顔がみんな違う。

正多面体というものがあるが、織原さんは不規則な多面体だ。(なんてものがあるかどうかは知らないが)
金太郎飴みたいに、どこをひっくり返しても同じ顔が出てくるのとはわけが違う。
くるりくるりと面が変わるたびに、まったく違った顔が現れてくる。
そんな気がしてならない。
一体全体、どれがほんとの顔なんだ。
そう簡単にはわからない、わからせない。それが織原さんの個性なんだろう。
次にどんな新しい顔を見せてくれるのか。なんとも楽しみだ。

ちなみに、フレットレスベースとは、通常、ベースのネック部分にある音の境界線がないベースのこと。

音域を限定せず、自由な音楽表現ができるらしい。
あまり使用する人はいなく、これ一本でというと、織原さんしかいないかもしれない。

bonanza 006.jpg

フレットレス・ベーシスト、織原良次さんでした。


音楽視聴はこちらから
http://www.myspace.com/ryojiorihara

★織原良次ホームページ

★織原良次twitter (@orihararyoji)

≪リーダー・ライブ≫
・11月2日(水) 桐生 Village
・11月3日(木) 京都 ※詳細近日
・12月7日(水) 渋谷 LastWaltz
・1月22日(日) 荻窪 velvet sun


posted by 松ぼっくり at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ミュージシャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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