2011年08月30日

JAZZ POWER 〜日野皓正presents Jazz for Kids〜

すごいと感心したり、きれいだなあとうっとりしたり、また、ほれぼれと聞き惚れることはいくらでもある。
しかし、演奏を聴き、心動かされ、思わず踊りだしたくなるような楽しさを味わうことはあまりない。

8月、世田谷パブリックシアターで行われた <日野皓正presents Jazz for Kids> は、その、めったにお目にかかることのない楽しさと驚きにあふれた音楽空間になっていた。

演奏したのは、世田谷区立の中学校から公募で選ばれた46人の中学1〜3年生たち。
<Dream Jazz Band>、通称ドリバンだ。

2 DreamJazzBand.jpg 撮影:青柳聡

メンバーの中には、4月、練習を始める時、初めて楽器を手にする子も含まれている。
それが、わずか4ヵ月で、ジャズのスタンダード曲を演奏するほどの腕前になっている。
驚きである。

この日演奏された曲は、
April in Paris / Night In Tunisia / Sophisticated Lady / In a mellow tone/ Take The“A” Train / Louis Blues などなど・・・

やさしい曲ばかりではない。
大きな楽器を、小さな体で少々もてあまし気味に演奏する。
巨大なバリトンサックスは、背丈よりも大きそうだし、重そうだ。
大きく伸び縮みするトロンボーンは、見ていて手助けをしたくなる。
握力が十分ではないのだろう。ドラマーが時にスティックを取り落とす光景も見られる。

いいんだよ。ぜんぜん問題ない。ノー・プロブレム。

上手い人、早い人、大きな音を出す人はたくさんいるけど、聴く人を楽しませ、気持ちを開放させ、スウィングさせる演奏をする人はそうはいないぞ。
演奏する人がいて、聴く人がいる。
二つが一つになって初めて音楽は生きたものとなる。
それに音楽は、お祭りや人の死に、ずっと寄り添ってあった。
この中学生たちは、その大事業を見事に成し遂げている。

中学生の演奏にそんなジャズの原点を感じたのは、ぼくだけではない。
周りの人たちも、子供たちの演奏に心揺さぶられ、励まされ、勇気付けられていた。

そういえば、今年のドリバンのスローガンは、

<JAZZ POWER>

だった。

東北大震災に打ちのめされた人たちを元気付けたいという願いと、もうひとつ。ジャズ自体の活力もアップさせたいという思い。
この言葉を提唱したドリバンの日野皓正校長には、そんな思いがあったのではないだろうか。

日野さんはじめ、西尾健一tp/多田誠司sax/守谷美由貴as/片岡雄三tb/後藤篤tb/荻原亮g/小山道之g/石井彰p/出口誠p/金澤英明b/田中徳崇ds/力武誠ds/三科武史ds/グレース・マーヤvo/

というトップ・ミュージシャンからなる講師陣の助力があって、見事な<JAZZ POWER>が炸裂した。

6 DreamJazzBand.jpg 撮影:青柳聡

なにはともあれ、ジャズが本来持っている、人の心を動かす力を存分に見せてもらった2時間半だった。
なにかとても大切なことを教えたもらった一日でもあった。
終わった後、涙する観客が大勢いた。
ぼくも少しだけ涙が出た。

1 DreamJazzBand.jpg
撮影:青柳聡

ドリバンは、この日の発表会をもっていったん解散する。もったいない。
希望者は、SSS=サポート・スタッフとして、会場設置、楽器運搬、資料作成、後輩指導などにあたることになる。
また、各地のジャズ・フェスやお祭り、児童館からのお誘いがあり、演奏を行うこともある。
今年は、4月に、東北大震災支援のチャリティ・コンサートを、三軒茶屋キャロット・タワー広場で行った。

13 ドリバン卒業生チャリティーコンサート3.jpg

★Jazz for Kids公式ブログ




posted by 松ぼっくり at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ミュージシャン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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