さらには、ジャズにまつわるトピックをあいだにはさんでいるため、これまでに紹介できたミュージシャンは20人ほどにすぎない。
それでも、やってるうちに見えてきたことに、アラサー世代の活躍、充実ぶりということがある。
20代も含め、それら若い才能が今の日本のジャズシーンを下支えし、閉塞状況にあるといわれる世界を押し広げ、そして、間違いなく今後の主流になるだろうという確かな予感を感じさせてくれた。
それは驚きであり、うれしいことでもあった。
もう一つ驚いたことに、20人のなかに4人もの東大出身者がいたことがある。
若井優也、西川直人、森田修史、松尾由堂(6月掲載予定)。
いずれも30代前半。
意図して東大出身者を選んでいるわけではない。
ミュージシャンの紹介による人選の結果である。
それにしても5人に1人というのはかなり高い割合ではなかろうか。
なぜこんなに多いのか。
東大卒という立派な肩書きが保証してくれるだろう安定した生き方を捨て、不安定のきわみとでもいえそうなジャズ・ミュージシャンの道を選んだのか、不思議に思っていた。
聞くと、4人とも東大ジャズ研の出身者だった。
これほどの才能を輩出するジャズ研究会とはいかなるものか。
そこに何か理由があるのかもしれない。
西川直人さんの紹介で、現部長、村井涼さんに会うことができた。
東大本郷の安田講堂裏、第二食堂3Fの部室。
10坪ほどの部屋に、グランドピアノとドラムセットが据付けられ、あとはベースやらなにやらで足の踏み場もない。
しかし、壁には、ジャズの巨人たちの写真がたくさん貼られ、ジャズのにおいがぷんぷんと部屋いっぱいにあふれている。

・・・ジャズが好きだ、演奏したい、という学生が集まっている東大のサークルです
東大生中心ですが、他大生もたくさんいます
部員は15人ほど。女性は少なく2名ほどとか。
伝統的に、少人数編成のコンボがメインになっている。
曲は、バップが多いが、変拍子のもの、コンテンポラリー・ジャズも演奏される。
いずれにしろ、即興を中心にした音楽であればジャンルにはそれほどこだわらない。
なぜか、理数系の学生が多い。
といったところが特長か。
と、村井さんが説明してくれた。
そういえば、若井さんは物理、西川さんはバイオが専門だった。
毎週、1回の練習日に部室に集まってはセッションを楽しむ。
演奏は、年2回の文化祭と、同じく年2〜3回のライブハウスで行う。
部費は、半期5千円。
音楽好きが集まって、なにやら楽しげに演奏を楽しんでいる。
そんな光景が浮かんでくる。
上にあげた4人の凄い先輩たちを生み出した<秘密>を感じさせてくれるような雰囲気はない。
<生り年>と<ふなり年>という言葉があるそうだ。
年によって、果実がよくなる年とまるでならない年、をいう言葉である。
・・・このところ、プロで活躍したりするような目立った人間はいません
4人は、東大ジャズ研の<生り年>にあたっていたのか。
・・・あの頃のことは、今でも語り草になっています
東大ジャズ研に入ればいいミュージシャンになれる、ということではない。
当たり前だが、なんだか肩透かしを食ったような気になるのも、東大という看板のなせるわざか。
帰りしな、振り返って見上げた安田講堂は、ぼくの記憶のなかのそれよりも、心なしかこじんまりとして雨に煙っていた。

HPにある、OB・OGの名前です。
郷原繁利 as
古賀美宏 gt
関根彰良 gt
田村陽介 ds
中島さち子 p
永淵伸枝 vo
西川直人 org
野口茜 org
八田真行 p
池尻洋史 b
羽毛田耕士 tp
松尾由堂 gt
目黒邦夫 ds
上田裕香 vo
若井優也 p
大場弦子 p
■東京大学ジャズ研究会HP
■東京大学ジャズ研究会Twitter
この度サイトリニューアルによりHPのURLが変わりましたので、可能でしたら、上のリンク先を下記のものに変更いただけますでしょうか? http://utokyojazz.web.fc2.com/top.html
また併せて、このページへのリンクを貼らせていただいてもよろしいでしょうか?
不適切でしたら削除ください。よろしくお願い致します。
ブログの管理をしている小林です。
お世話になっております。
リニューアルサイトへリンクを修正しました。
相互リンクもぜひお願いします。
これからも東大ジャズ研を何卒宜しくお願い申し上げます。