注目のギタリスト、井上銘さんです。
人呼んで、<スーパー・ギタリスト>。
人といってもぼくではない、ミュージシャンたちがそう呼んでいる。

井上銘(いのうえ めい)
1991年5月14日生まれ。神奈川川崎市出身。
幼少期よりピアノ、ドラムなどの楽器に親しみ、15才の時よりギターを始める。高校入学後ジャズに出会い、宮之上貴昭氏に師事。高校在学中より都内ジャズクラブで演奏活動を始め、高校3年時に日本の重鎮ベーシスト鈴木勲氏のグループに参加し、本格的な活動をスタートさせる。2011年Berklee college of musicよりfull scholarship授業料全額免除を獲得する。2011年9月にEMI Music Japanより1stアルバムを発売予定。現在都内、神奈川県内を中心に活動を展開中。
見るからに、「ただならぬ」という印象の若者である。
ふつうの若者にはない独特の雰囲気を漂わせている。
60年代ロックのヒーロー、ジミー・ペイジに似たヘヤースタイルのせいかもしれないが、それだけではない。
ギター・テクニック、演奏中の立ち居振る舞い、MCなどすべてにおいて「ただならぬ」のである。
それは、そうとしか言いようのない空気感なのだ。
ライブで隣り合わせた慶大ジャズ研の同年輩が、仰ぎ見るようにして彼の演奏を聴いていたが、その気持ちよくわかる。
『人は見かけが八割』かどうかは知らないが、(ぼくのような)老いも若きもみな仰ぎ見つつ、<井上銘>を聴いている。
ドラムからギターに転向して3年ちょっと。
わずか3年で「スーパーギタリスト」になってしまうのも才能なのか。
隣の慶大生が、「練習の成果ですよ」と、こちらの無知さ加減にあきれながら訂正してくれた。
汗みどろで行った(だろう)努力のかけらも見せない、気づかせない。
すべてにおいてリキミがない。虚勢がない
あるかもしれないが、それをブザマにさらけ出すことはない。
みずからを律し、コントロールしているのだ。自身、意識せずに。
とても20歳とは思えない器の大きさを感じる。
・・・近いうちに必ず若手で一世を風靡する時がくると思います
志高く、自信もある。
演奏中に、「ウェス・モンゴメリーのオクターブ奏法なんかフツーにできませんよ」なんてことをサラリと言ってしまうことができるのも、そのせいだろう。
「自分が何を知らないかを知っている」ということが真の知性だと、内田樹さんが言っている。
井上さんの発言は、彼が真の音楽的知性の持ち主であることのなによりの証ではなかろうか。
ピッチャーの究極の目標は、「パーフェクトゲーム」ではなく「27球」で勝ち投手になることらしい。
ウェス・モンゴメリーで満足しないで、しないだろうが、究極のギター・テクニックというようなものがもしあるとすれば、極めてもらいたいと思う。
夢をかなえてくれそうな気にさせてくれるミュージシャンだ。

表現の世界では、それまでの基盤を根底からひっくり返してしまうような才能が現れるものだ、と誰かが言っていた。
存在自体からしてすでに、「ただならぬ」のである。
すでにして、これまで見たこともない新しい世界の中にいるのではないか。そんな気にさえなってくる。
楽しみな若い才能がまた一人現れた。
・・・自分の作曲した曲でたくさんの人々に感動を与えたい
・・・自由に好きなように演奏するジャズを、聴き手も、自由に好きなように楽しんでもらえればうれしい
演奏者も聴き手も、どちらも楽しめればいい。
その志や、よしでしょう。
9月、待望のCDが出る。
初めて聴いてすっかり好きになってしまった彼のオリジナル曲「ザ・メモリー・オブ・セピア」も入っているのだろうか。
直訳すると「イカ墨の思い出」か。
こちらも楽しみだ。
≪ライブスケジュール≫
●6月16日(木)江古田 そるとぴーなつ 20:30〜23:00(2セット)
井上銘グループ(井上銘gt/泉川貴広pf/若井俊也bs/柵木雄斗)
※リーダーライブ
★井上銘のブログ
なるほど、私もこの方の演奏や奏でる姿からそう感じました。(映像でしかきいていません)
志高く自身もある。
ほんとそのように感じます。
ところが、私まだ、生でこの方の演奏を聴いた事がありません。
一度、生で聴きたいです。