
香川県出身。
3歳でピアノ、中学でクラリネット、高校でトランペットを始める。
香川大学で数学を専攻、かたわらジャズ研究会でジャズと出会う。
大学院終了後、音楽への道を歩むべく上京。
2007年、松尾スズキ演出ミュージカル「キャバレー」、鈴木勲OMA SOUNDに参加。
現在、いくつかのグループでライブ活動を行っている。
2011年1月、ファーストアルバム「Song Of Flower」をリリース。
レコード発売記念ライブを聴いた。
CDなのに<レコ発>というのもなんか変だが、まあ、そんななことはどうでもいい。
ミュージシャンは、この機会にCDの宣伝販売をかねて、各地でライブ活動を行うのを慣例としている。
ぼくが聴いたのは、東京・大久保のBoozy Muse。
レコーディング・メンバー、カイドーユタカb、栗田妙子p、冨川政嗣ds、伴田裕tsによるライブだった。

カイドーユタカb、栗田妙子p、宮脇裕子tp、冨川政嗣ds、伴田裕ts(写真左から)
宮脇さんは、ここ2年ほど、女性だけのファンクバンド<MyaaM>での演奏しか聴いていなかった。
それ以外のユニットでの演奏は、この日が初めて、ということになる。
燃えさかる火焔土器のような激しい演奏を繰りひろげるファンクバンドとは対照的に、静かなそれでいてしっかりと存在感をアピールする白磁のような演奏が印象的だった。
手錬のバック陣とのコンビネーションもピタリと息が合い、なんとも楽しそうなライブになっていた。
大学、大学院では数学を専攻。
もっとも院の2年間は、ジャズの道へ進むべきかどうか迷ったための猶予期間だったようではあるが。
それにしても、数学専攻のミュージシャンとはめずらしい。
数学と音楽は相性がいいというから、そうでもないのかな。
そんなキャリアのせいもあるのか、お人柄も怜悧かつ明晰、とお見受けする。
センスがいいミュージシャン、とも誰かがいっていた。
「早い」、「大きい」なら誰でもわかるが、「センスがいい」とはどういうことか。
<音楽素人>には、こんなことがなかなかわからない。
その「センスのいいミュージシャン」が、いま、注目されている。
「JAZZ LIFE」2月号ではインタヴューが、2月末発売の「Japan JAZZ」では、「作・編曲に非凡な才能を発揮している」と、大きく紹介されている。
・・・ECMが好きで、その手法を取り入れた曲を作っていきたい。いまは、エリック・サティにはまっています
と、サラリとおっしゃる。
いかにも彼女らしい。
サティの作品のような、「エッ、もう終わり!?」っていいたくなるような短い曲を、ジャズでもぜひ聴いてみたい。
これからも、硬質で美しい曲をたくさん聴かせてくれることだろう。
「Song Of Flower」は、守谷美由貴さんが立ち上げたレーベル<COUME MUSIC>発の第二弾。
宮脇さんが、自転車に乗りながら鼻歌まじりに作ってしまったという曲がタイトルになっている。
フラワーは、「花」ではなく「鼻」だったのだ。お間違えなきようご注意を。
ユーモアのセンスもそなえている。
昨年、ドラムの冨川さんと結婚。
ルンルン気分が抜けきらない幸せそうな表情がいまだに続いている。
猫好きというのも、なんともうれしい。
ご活躍を。
そして、いつまでもお幸せに・・・。
Song Of Flower / 宮脇裕子 (CD - 2011)


≪ライブ情報≫
3月25日(金)新発田市民文化会館小ホール ★「Song Of Flower」発売記念ライブ
宮脇裕子Quintet
宮脇裕子(tp), 伴田裕(ts), 栗田妙子(p), カイドーユタカ(b), 冨川政嗣(ds)
3月26日(土)長野 カフェ884 ★「Song Of Flower」発売記念ライブ
宮脇裕子Quintet
宮脇裕子(tp), 伴田裕(ts), 栗田妙子(p), カイドーユタカ(b), 冨川政嗣(ds)
3月29日(火)吉祥寺 Jazz喫茶"MEG" ★「Song Of Flower」発売記念ライブ
宮脇裕子Quintet
宮脇裕子(tp), 伴田裕(ts), 大口純一郎(p), カイドーユタカ(b), 冨川政嗣(ds)
4月1日(金)御徒町 Jazz Spot"ARIES"
Peach Drops
大橋祐子(p), 宮脇裕子(tp), 江川綾(b), 佐藤ことみ(dr), plus Guest Vocalist
4月4日(月)目黒 "BLUES ALLEY JAPAN"
宮脇裕子's Land Scape Emsemble Vol.1
宮脇裕子(tp), 守谷美由貴(as), 上杉優(tb), 福井亜実(p), 江川綾(eb), 三科律子 (dr)
☆Yuko Miyawaki OFFICIAL WEBSITE