といってももう驚かないが、それにしても多い。
若井優也、西川直人さんについで当コラム三人目。まだ一年もたっていないのに。
もう一人、こちらは近々ご紹介する松尾由堂さん。
全員、東大ジャズ研の出身者である。
これだけの才能を輩出するジャズ研そのものに興味がわき、今、取材をお願いしている。
そちらのほうは、またあらためて。
森田修史さんです。
テナー・サックス、ソプラノ・サックス奏者

1977年3月、東京生まれ。
中学時代はアルトサックスを、東大ジャズ研でテナーに持ち替える。
在学中の1995年、吉祥寺JAZZコンテストでグランプリ受賞。
以降。本田竹広(P)the pure、鈴木勲(B)OMASOUNDを経て、モヒカーノ関ラテンジャズバンド、M-swift presents 24carat、今出宏ヂ・エプロンズ、松谷冬太hugesoul、The Wind waveなどのほか、自己のオリジナル・ユニットで活動中。
98年ニューヨーク、06年パリ、08年マレーシア・ミリ国際ジャズ祭、09年メキシコ、台湾と海外での演奏活動にも積極的に参加している。
短い間に森田さんを何回か聴いた。
●<gravity> 小松伸之ds、若井優也p、織原良次bさんとのカルテット。
個性的なメンバーのなかでひとり、ユニットの重力圏から飛び出しそうな演奏が印象的だった。
●スガダイローさんとのDuo
スガ流光速奏法との折り合いをいかにつけるか、悩み楽しんでいる森田さんがいた。
●永田真毅ds、諸岡ひろやorgさんとのストリート・ライブ
祝祭、芸能の原点、自然発生的、ゲリラ的な路上パフォーマンスを期待していったが、いまどきそれは無理というもの。きちんとコントロールされた環境の中での演奏だったが、それはそれで面白い。

●<スクイズ>
小泉P克人b、永田真毅dsさんとのトリオ。ファンクからフリー・テイストまで。
「だるまさんがころんだ」なんて愉快な掛け声入りの曲が入っているCDもある。
●<Crazy Lovers>
大島洋dsさんと、西川直人org、松尾由堂gに森田さんという東大出ミュージシャン三人のそろい踏み。和気藹々的バトルが楽しめる。今後の演奏予定はないそうだが。
●<モヒカーノ関ラテンジャズバンド>
聴きたかったがいまだ望みかなわず。森田さんの楽しげな表情をぜひ見たかった。
今は、
「アフリカや中南米の音楽のかたちを取り入れた演奏をすることに夢中になっている」
ビバップ、フリージャズからラテン、民族・伝統音楽まで。
何でもできちゃう器用なミュージシャン、と思ったら大間違い。
四方八方に触手を拡げていくのは、「全てのジャンルに共通する一番大切な何かを追求したい」がための試行なのだ。
器用とは正反対、悩み多き求道者。
風貌にも表れている、とお見うけしているのだが。
「できるだけ譜面に書けない方向の音楽的価値を追求したい。単にその音で真実全てを表現しつくしているという境地にいきたい」
目指すところは高い。
98年、ニューヨークでの現地ミュージシャンとの交流や、とりわけハーレムの教会で心の底から湧き出る真実の歌に触れた経験が、森田さんの音楽を支える原風景になっているのではないか。
具体的な今後の演奏活動は、ストリート・ライブを中心とする<スクイズ・トリオ>と、自身のオリジナル曲中心の<森田修史カルテット>(スガダイローp、安東昇b、斉藤良ds)を中心に展開していくことになる。
3月から、神奈川県秦野に移り住み、自然農を始める。
耕作面積90坪。けっこう広い。
自給自足を目指している。

百姓に転向するんですか?
「うまい野菜を食いたいため。あくまでジャズですよ」と笑う。
農業体験から生まれる「ヘルシーなジャズ」みたいなものがあれば聴いてみたい。
森田さんのものならば・・・。

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http://www.youtube.com/watch?v=V6RW2nzzXWE
http://www.ustream.tv/recorded/7988945
《ライブ情報》
3月4日(金)関内 ギャラリーミロ
森田修史、田村博(P)
3月12日(土)東中野 セロニアス
森田修史トリオ、永田真毅(D)、安東昇(B)
3月19日(土)池袋 INDEPENDENCE バスキングスペシャル
森田修史、三浦邦彦(DS)、諸岡ひろや(KEY)、安東昇(B)
4月1日(金)東中野 セロニアス
スクイズトリオ
*上記はリーダーライブ。そのほかの詳しいライブ情報は下記サイトへ。
★HP:Shuji Morita Website
★twitter: shujimorita