2010年11月05日

世界初? USBブック─菊地成孔「闘争のエチカ」

紙の本か電子ブックかが話題になっているさなかに、なんとUSBメモリースティックをメディアとした菊地成孔の「闘争のエチカ」が発売された。
なにかと話題を提供してくれるジャズ・ミュージシャンの、

 ・・・01年のファーストアルバム「アイアンマウンテン報告」から、最新録音の
 「退行」(NHKドラマ「チェイス/国税査察官」主題曲)まで、00年代という混
 迷の10年間を通して繰りひろげて来た、極端に苛烈で、極端に拡散的で、極端に
 官能的で、そして極端にエレガントな闘争の全記録。(リリースより)

が、4GB×2本に収められている。
メモリースティックに入ったデータが製品として発売されるのは、世界で初めてらしい。

 闘争のエチカ.jpg

 通巻の収録数は
 ■音  楽・・・140トラック/18時間
 ■映  像・・・140分
 ■スチール・・・400点
 ■テキスト・・・10万文字

すでに発表されたものだけではなく、未発表の音源、ライブ映像、ライブ録音、テキストなども多数盛り込まれている。
「菊地成孔大全集」である。

<量を極めれば質にいたる>が編集方針か、どうかは知らない。

文字によるテキストのほか、音楽や映像まで取り込んだすべての仕事をひとつにまとめる試みに、なるほど、メモリースティックは最適のメディアであった。
さすが菊地成孔、目のつけどころがいい。

で、気になるお値段だが、上・下二本で2万円でありました。

2万円か。
高いのか安いのか。

ファンにとって値段なんてあって無きがごときもの。
たとえ、2万円が20万円でも喜んで買うという人もいるのよと、事情に詳しいブログの師匠が教えてくれた。
ファンはありがたい。
さして熱心なファンではないぼくなんかには、2万円は、やっぱり「ウーン?」だな。

どうせ買うわけじゃないんだから、どうでもいいことなんだけど、
ついむかしのくせで、原価計算なんかしちゃったりする。

かくも立派な「文化遺産」を、ではない「文化資産」を、原価面から評価するということのなんとも非文化的行為であることは、重々承知していますが。


材料としてのメモリースティックだが、一時に比べ今ではかなり安く手に入るようになっている。
原稿料も不要、印税も発生しない。
製品化するまでの工程もそれほど複雑ではない。
人的コストは、印刷に比べると格段に低い、はずである。
などなど勝手に推測し、あとは何本出すかにもよるが、ざっと計算して1本5千円くらいがまあ妥当かな、と思っていたが、倍の値付けになって出てきた。

予約販売が主になるため、書店やCDショップで手にとってじっくり見定めるということはできそうもない。
つまりフリーの客が購入する機会はほとんどない。
PCを持っている人しか見ることができない、というハンデもある。
ちょっと高い気もするが、まあしかたがないのかな。

そんなことよりも、世界初の<大事業>にチャレンジした菊地さんの勇気に拍手を送らねばならないでしょう。

話題の少なさが話題になる、という世界である。
ジャズシーンを越えたトピックになってくれるといいんだが・・・。

本邦初のUSBブック。
見た方の感想をぜひ聞いてみたい。
本欄宛に送っていただけるとありがたい、と心より願っております。


★菊地成孔00年代未完全集「闘争のエチカ」上下巻セット
http://eastworks.shop-pro.jp/




posted by 松ぼっくり at 10:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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