
1982年。東京都出身。
高校時代、ジャズ・ピアニスト砂田知宏氏に師事。
洗足音楽大学ジャズ科で今泉正明氏にジャズ・ピアノを学ぶ。
アンサンブル、作曲、アレンジ、ジャズ・ハーモニーなど幅広い音楽的素養を身につける。
在学中より、音楽活動を開始。現在、セッションや自己のトリオ、グループを中心にライブハウスやホテルのラウンジなどで演奏活動を行っている。
クラシックの素養もお持ちだ。
2004年、国立音大 NEW TIDE JAZZ ORCHESTRA に参加、第35回 山野ビッグバンドジャズコンテストにて最優秀賞受賞。同バンドで東京 JAZZ 2004 オープニングアクトをつとめる。
定年間近の人間には、長い間の夢だった「やりたかったこと」をいよいよ始めることができる(かもしれない)とあれこれ考える、そんな楽しみがある。
そして、めでたく定年退職。その日がやってくる。
誰にも邪魔されず、自由な時間を存分に楽しむことができる毎日がやってくる。
となればいいのだが、さてその時になってみると、いままでの生活とのあまりの違いに対応できず、呆然自失、なすすべもなく立ちすくんでしまう。
というケースがままあるようだ。
心身のバランスをくずす人さえいるという。
ぼくがそうだった。
なにをしてもいいんだけれど、なにをしたらいいのかわからない。
楽しかるべき時間を手に入れながら、ただおろおろしている自分がそこにいるだけ。
つまるところ、だらだらと酒などを飲み、日々通り過ぎていく時間を頭をさげてやり過ごす、といった体たらくではありました。
そんな時、古い友人から紹介されたのが松本あかねさんだった。
5、6年も前のこと。
若い頃、わりと熱心にジャズを聴いていた時期がありまして。
もう50年も前のことで、今ではジャズなんて言葉さえすっかり忘れていたぼくに、
「ライブを聴きにきませんか」
と声をかけてくれた。
それがきっかけ。
以来、今日まで、ライブハウスを徘徊するという思いもよらぬ悦楽の時間を持つことができるようになったのであります。
老後の楽しみを教えてくれた<恩人>なのであります。
松本さんには、それまで知らなかったジャズの面白さ、精妙さ、美しさなど、たくさんのことを教えてもらった。
・・・いいミュージシャンは 音が飛んでくる
キューバ出身のピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバを聴いた時、彼女が発した言葉。
意想外の感想に度肝を抜かれたことをよく覚えている。
実技者とリスナーでは、音の聴き方聴こえ方に根本的な違いがあるのだろうか。
実技者は、ぼくが、自分の耳で聴いている音とはまるで違う音を、その耳で聴いているのだろうか。
そんな疑問をぼくの心に植えつけたピアニストの<感想>でした。
以来、その疑問が、ぼくに付きまとって離れない。
いつか答えが見つかるかもしれない、そう思いつつ、気がついたらライブハウスを徘徊する日々を過ごしていた。
あれは、もしかしたら、難しいといわれているジャズに、人を誘い込む巧妙な罠だったのかもしれないな。
そんなことをふと思ったりもする今日この頃であります。
うれしい罠ではあったけれど・・・。
ライブに行くたびに、自作の新しい曲を披露してくれる。
メロディーが美しく、印象に残る曲が多い。

ピアノ・ラウンジなどでの仕事をキチットこなしながら、ライブ活動も続けている。
足元をまずしっかりと固め、その上で自分の目指す音楽を追い求めていく。
・・・ジャズにはいつだって新しい流れがある
というひたむきさも好感がもてる。
多くのフアンがいるのもそんな彼女の姿勢に引かれてのことだろう。
*
ところで、ぼくにはもう一人の<恩人>がいる。
ネット広告を扱う代理店にお勤めのTさん。
バリバリのキャリア・ウーマンです。
こちらも友人の紹介で。
ひまをもてあます年寄りに、「ブログをはじめたら・・・」と声をかけてくれた。
それで始めたブログが、廻りまわってこのコラムに行き着いたわけで、彼女が誘ってくれなければ当コラムは誕生しなかった。
<ブログ師匠>なる尊称をささげている。
ライブの楽しさ、ブログを書く面白さを教えてくれたお二人にはただ感謝あるのみ。
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《ライブ情報》
11月25日(木) 大久保 Boozy Muse
12月20日(月) 六本木 Softwind
12月29日(水) 東中野 THELONIOUS
※いずれも 松本あかね(p) 安田幸司(b) 今泉総之輔(dr)
★JAZZ PIANIST 松本あかね