「ジャズのコラムなど書いているようだが、大丈夫なのか」
大丈夫じゃないって。
楽器はできない。理論も知らない。CDも人様に威張れるほど聴いていない。
ミュージシャンの知り合いなんて数えるほどしかいない。
ないないづくしで始めてしまった。
でも、耳はまだ聴こえている。
評論や解説を書くわけじゃない。
若いミュージシャンを紹介したくて始めたもの。
演奏を聴き、その印象を書けばいい。
と、なかば開き直っている。
何人かのミュージシャンが薦めてくれたミュージシャンがいる。
福井亜実さん。
ジャズ・ピアニスト。

1982年生まれ。
4歳でエレクトーンを始め、6歳からヤマハ・ジュニア科専門コースで作・編曲、音楽全般を学ぶ。17歳でユキ・アリマサに師事、ジャズ・ピアノを始める。
リーダー・バンド、サポートなどでライブ活動を行っている。
2010年、CD「URBAN CLUTTER」(福井亜実p/安田幸司b/今泉総之輔ds)発売。
(HPより)
CD発売記念ライブを聴きに六本木「softwind」へ。
福井亜実サウンドとの始めての出会いである。
どんな演奏か、ちょっとドキドキする。
期待感でワクワクしている。
だが、しかしだ。
このあと書くことになるコラムのことを考えると、気が重い。
書けるかなあ。
ライブが始まると、そんな心配はすぐに吹き飛んでしまった。
紡ぎだされる音が作り出す「何か」を、こんなにもはっきりと、鮮やかに感じることができたのは初めてだ。
「何か」とはなにか。
「美しさ」です。
ぼくの、精度のよくない耳と、細胞が日々激減中の大脳は、それを美しいと感じていた。
ジャズを美しく聴かせるミュージシャンはめずらしくない。
だが、「ジャズは美しい」をリスナーに感じさせる演奏は、そうはない。
過剰な装飾がない。シンプルな音のつらなりがそこにある。
ジャズってこんなに美しいんですよ。と歌っている。
ベースの安田さんも、ドラムスの今泉さんもそんな音の周りを、クルクルと楽しそうに浮遊している。
「ミュージシャンが推薦するミュージシャン」の、魅力の一端を垣間見せてもらった。
コラムは書ける。と思った。
ぼくの心配は杞憂に終わった。
「URBAN CLUTTER」PV
ジャズの根っこにある「黒さ」にも惹かれているようで、「古さと新しさを融合できたらいい」と言う。
激しさに対する欲求もある。
美しさにプラスされる重厚さ。
そんな音楽的欲求をどのように表現していくのだろうか。
いずれ見せてくれるだろう新しい世界をはやく見てみたい。

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福井亜実HP
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disk union/TOWER RECORDS