2010年08月06日

リンジューまぎわの悪口はメーダーだよ

そのギョーカイにだけ通用する特別な言葉がある。
隠語と呼ばれているもので、ミュージシャンや音楽関係者の間でもよく使われていた。
そういえば、最近あんまり聞かないなあ。

言葉は、前後をひっくり返し、数字は、音階記号を使っていた。
こんなふうに。

・・・昨日、ジャンマーで、ツェーマンゲーセンやられたよ

音階のツェー(C)を1とし、以下2:デー(D)、3:エー(E)、4:エフ(F)、
5:ゲー(G)と続いていく。
よって、上のセリフは、「昨日、麻雀で1万5千円やられた」となる。

何でもさかさまに言えばいいのか。
それじゃあ、「耳」はなんていうんだ? 「目」は?

養老孟司・久石譲『耳で考える』

耳で考える ――脳は名曲を欲する (角川oneテーマ21 A 105)

耳で考える ――脳は名曲を欲する (角川oneテーマ21 A 105)

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 新書



人間が生きていく時、基本になるのは、目より耳らしい。
意識を失った人間が意識を取り戻す時、最初に耳が回復して声が聴こえてくる。
ついで目が開く。
死ぬ時もおんなじで、耳は最期まで聴こえている。

だから、もうすぐ死ぬ人に、「やっと逝ってくれたか」なんて、決して言っちゃあいけない。ちゃんと聴こえているから。
生き返ったら大変だ。
まあ、めったにはないだろうが、万が一ということもある。

こんなエピソードが山ほどでてきて面白いが、内容はきわめて真面目である。

“いい音楽とは何か” 
コンピュータで良い音楽はつくれない。
コンピュータは、良いとはなにか判断できないから。

“なぜ人は音楽で感動するのか”
前から興味があった。久石さんの話が説得的。

“人に受け入れられる音楽(芸術)とは”
まったく新しいものは誰も理解できない。真ん中がいいという「塀の上理論」。
なるほど。

これらの問題に対する正しい答なんてのは、当然ない。
ないが、「音楽にはまだ知られざる力がある」ってことはよく理解できる。

「脳と聴覚の関係」をいろいろ考えさせてくれる本である。
と書いたところで、『さよなら、サイレント・ネイビー』という本があることを思い出した。

さよなら、サイレント・ネイビー ――地下鉄に乗った同級生

さよなら、サイレント・ネイビー ――地下鉄に乗った同級生

  • 作者: 伊東 乾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 単行本



開高健賞を受賞した伊東乾さんのノンフィクションである。
東大で同級生だった友人がオウム真理教に入信、地下鉄サリン事件を引き起こす。
「なぜ、彼が?」が、この本の出発点。

・・・耳から入った音情報、特に情動を喚起するような情報は、脳の高次認知が発動するより先に、感情や行動を動かしてしまう。

音による洗脳の結果の犯行、ではないかということである。
聴覚の不思議さに驚かされる。
脳と聴覚の問題、なんとも不思議で興味が尽きない。


ところで、「目」は「メーメー」、「耳」は「ミーミー」というらしい。
「ズージャ」にはあんまり関係ない話だったが、まあいいか。




posted by 松ぼっくり at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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